不整脈
Q:不整脈は心拍が不規則になる病気です。どうして不規則になるかご存知ですか?
A: 不整脈とは、通常規則的に拍動している心臓のリズムが乱れることを言います。
不整脈には一拍だけ早く打つ期外収縮、心臓のリズムが早くなる頻脈性不整脈、遅いリズムになる徐脈性不整脈があります。
期外収縮には上室性期外収縮、心室性期外収縮があります。一拍だけドキッと動悸を感じることがあります。特に心臓に病気をもたない人にも起こることがあります。
頻脈性性不整脈には上室頻拍、心房細動、心室頻拍などがあります。突然ドキドキ早くうつように感じたり、胸が苦しくなったりします。自然におさまることもありますが、薬で止める必要がある場合もあります。心室頻拍は心室細動という危険な不整脈に移行することもあるため至急に頻拍を止める治療が必要になります。
上室頻拍、心房細動、心室頻拍の一部は、高周波を使って心臓の不整脈の原因になっている部分を焼灼するカテーテルアブレーションという方法での治療が可能です。
なお心房細動は脳梗塞を起こすことがありますので、予防のためにワーファリンという薬で治療を行います。(長島茂男氏も心房細動が原因で脳梗塞を起こしたと言われています。)
徐脈性不整脈には洞不全症候群、房室ブロックなどがあります。心臓のリズムが非常にゆっくりになるとめまいを起こしたり、意識を失ったり、心不全になったりします。その場合はペースメーカー植え込みを行います。
●カテーテルアブレーション
カテーテルアブレーションは、頻脈性不整脈の治療のひとつで、心臓の中の不整脈の原因になっている部位を高周波電流で焼灼する方法です。脚の付け根などの太い血管から「カテーテル」という細い管を入れて、先端から高周波電流を流します。
上室頻拍、心室頻拍の一部は以前よりこの方法で治療が可能で、90%以上の人に高い治療効果が期待できるとされます。また最近は心房細動もカテーテルアブレーションで治療ができるようになってきています。
不整脈の種類によって焼灼する部位は異なります。
心房細動の場合、ほとんどは肺静脈に原因があるため図のように、肺静脈の周りを高周波で焼灼します。
●ペースメーカー
ペースメーカーとは、心臓のリズムがゆっくりになった時に心臓に電気刺激をして心臓を拍動させる、体の中に植え込む治療装置です。
心臓のリズムが非常に遅くなる徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)では、植え込みを行います。