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動脈硬化の発症秩序

 

Q:どうして動脈硬化は発症するのでしょうか?

 

A:動脈の構造を以下に示します。

動脈の構造

冠動脈の内側は一層の内皮細胞に覆われており、この内皮細胞は様々の機能を発揮します。内皮細胞が正常であれば、動脈硬化の進行を抑制したり、血栓をできにくくする物質を産生し、放出しています。

正常内皮細胞の機能

しかし血管内皮は次の様々な要因によって障害を受け、内皮機能は徐々に低下します。

  1. 加齢
  2. 高血圧による物理的障害
  3. 高血糖による化学的障害
  4. 高コレステロール血症による化学的障害
  5. 喫煙のCOによる化学的障害

機能が低下した内皮細胞は動脈硬化を促進する様に働き、また血栓もできやすくなります。LDLコレステロールは血管壁内に沢山進入し、貪食細胞(マクロファージなど)に食べられますが、貪食細胞の死骸が積み重なって脂質を多く含んだ粥腫となります。LDLコレステロールが少なければ繊維組織主体の動脈硬化病変となります。

血管内皮の機能障害

動脈硬化は、例えて言えば顔の皺のようなものと言えば分かり易いと思います。

若いときはきれいな皮膚(血管)でも、年を取ることにより皺(動脈硬化)が増えていきます。
動脈硬化を促進する代表は、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病、そして喫煙です。
これらは皆血管内皮細胞に障害を及ぼし、内皮細胞の機能低下をさせることより、動脈硬化の進行を早めるわけです。
冠危険因子の数と動脈硬化の進行の関係を模式的に図示しましたが、冠危険因子の数が多ければ多いほど、動脈硬化の進行が早まることがお分かり頂けると思います。

冠危険因子と動脈硬化の進行の関係
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